むかしむかし
昔昔、ある所にトーマ爺さんとルミ婆さんがおりました。ルミ婆さんは川へ洗濯に、トーマ爺さんは山へしばかりに・・・は行かず、婆さんの手伝いで川へ洗濯に行きました。

婆さんや、川で洗濯なんて面倒くさいのう。最新の全自動洗濯機を買わないか?ドラム式がいいな〜

また〜、爺さんの悪い癖ね。洗濯機なんてものがこの世にある訳ないじゃないですか。

そうであった。でも、なんか洗濯機があったような・・・

悪い夢でも見ていたのでしょう。頑張って手で洗いますよ。

はいはい・・・こうやって川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてくるような気がする。

はあ?いいから、早く洗いましょう。
ドンブラコ、ドンブラコ

あ、あれは桃ではないか?

ええっ!本当に桃が流れてきた〜

よいしょっと。よし、取ったゾ〜

わー、大きい!美味しそう!

でかいぞ。男の子が入っているみたい!

そんな訳ないでしょ。早速、家に帰って食べましょう。

やった〜
桃の中から

よーし、わるぞ〜、せいのっと!
バン・・・ドサッ☆

あ、中から男の子が!まさか!

お爺さん、お婆さん、はじめまして。僕はセイジ太郎と言います。

うひゃ、喋った!

桃から産まれたセイジ太郎・・・何か語呂が悪いわね。

いっそ、もも太郎つて名前にしたらどうだ?

いいえ!ふざけないで下さい。僕はセイジ太郎です!

桃から産まれてくる時点でふざけてるだろ。まあ、いい。セイジ太郎は何で桃の中にいたのか?

そういうことは追及しないで下さい。お約束なんです。

ふーん、でもこれからどうするの?ウチは貧乏なのよ。

僕、鬼ヶ島に鬼退治に行こうと思います。

鬼ヶ島?鬼退治?やめとけやめとけ。鬼退治なんかしたって、いいことないぞ。そもそも最近の鬼は弱いので誰も困ってないぞ。

そうですか・・・でも、行かないといけないのです。

あら、そうなのね。では、おにぎりでも作ってあげましょう。

いえ、おにぎりではなくて、きびだんごを、作ってください。きびだんごでないと駄目なんです。

何だか図々しい奴だなー

はいはい、きびだんごですね。いいですよ。

ありがとうございます!
いざ、出陣!

ささ、爺さんも婆さんも身支度を。

どうしてですか?私達はもう足腰が、悪くて...

そうだよ、なんで鬼退治なんて行かなきゃいけないんだよ。1人で行けよ。

鬼ヶ島には金銀財宝ザックザクらしいです。

・・・よし、行こう!

爺さん、大丈夫かい?

なーに、弱っちい鬼どもなんかひとひねりさ。早速出発だ!
船はどこに?

もうすぐ海です。

いっばい歩いて疲れたし、おなかすいたし・・・きびだんごは?

セイジ太郎が犬と猿とキジにきびたんごをあげて仲間にしよう、とか言って、全部、食い逃げされたじゃないか。

うーん、普通は仲間になるのですが。

桃から出てきたおまえが「普通は」とか言ったって全然説得力ないんだよ。

もう、きびたんごは無くなりましたよ。

あー、腹減った・・・UberEATSで出前でも頼まないか?

何を言っているのかさっぱり分かりません。

だよな。で、次はどうする?

はい、海を渡って鬼ヶ島へ行きます。

どうやって海を渡るのですか?

はい、泳いで渡ります。

はあ?ウソだろ〜。無理無理、年寄りが泳ぐなんて自殺行為だ。

そうですか、困りましたね。

あ、あそこに船があるわ!

おお、ちょうど良かった。これで鬼ヶ島に行こう!

大丈夫でしょうか?沈没したりしないでしょうか?

どこにも穴はあいてないし、立派なもんじゃないか。泳いで渡るよりよっぽどマシさ。

分かりました。この船で行きましょう。
海の上
いち、に、さん、し、鬼なんか怖くない♪
いち、に、さん、し、鬼なんか怖くない♪

結構、漕いだけど、まだ着かないの?

本当にこっちで合っているのか?島なんか全然ないじゃないか?

は~、実はよく分からないのです。

なに~!じゃあ、遭難したってことか?

方向は間違ってないと思うのですが・・・

疲れた~、ちょっと休みましょう。

あーあ、鬼退治なんかに来なきゃよかった。お腹空いたし。やっぱりUberEATSに頼まないか?

海の上には配達してくれないと思いますよ。

そもそも行くことにしたのはトーマ爺ですよ。

そうだけれども、このまますすんでも鬼ヶ島に着く保証なんてないし。

そんなこと言わずに頑張りましょう。きっと、もうすぐ見えてきますよ。
島だ!

あ、あれは島じゃない?もしかして・・・

そう、あれは鬼ヶ島です!ついにやりました!

そうとわかれば俄然、やる気が出てきたぞ。いち、に、いち、に・・・
ボコッ☆ブクブクブク♪

ああ!トーマ爺さん、勢い余ってオールで穴が空きましたよー!!

大変だ!このままだと沈没してしまう!

なんだって!俺は泳げないんだよ~、助けてくれ~

どんどん沈んでいくわ。早く水を外にださないと。

間に合いませんよ。僕は泳げるから大丈夫です。

ナニ~抜けがけは許さん!離さないぞ~

ああ、沈んでいく~!もうダメ~

もう無理ですね。冥土で会いましょう。

そんな所で会いたくないよ~、うわーーーーーっ!!
バッシャーン☆ブクブクブク・・・
天国?
ザザーッ、ザザーッ・・・

・・・ここは?天国?

おお、気がついたか。ここは天国みたいな所だぞ。

やっぱりそうなんですね。トーマ爺はてっきり地獄行きかと思っていました。

何を!そうじゃい。我々は助かったのだ。

そうなんですか?でも、どうやって?

あの亀が助けてくれたのです。

セイジ太郎様が溺れているのを見て、慌ててこちらにお連れしたのです。

知り合いなの?

はい。以前、あの亀が村の子供達にいじめられているところを助けたことがあるのです。

ココア亀と申します。セイジ太郎様に恩返しができて嬉しいです。ここは竜宮城といいます。

私はこの竜宮城の主、ルナ姫と言います。何時ぞやはこのココア亀を助けて頂きありがとうございました。ささやかながら、おもてなしの準備をしております。ごゆっくりお楽しみ下さい♥

うっひょ~、大ご馳走じゃないか!

嬉しい!お腹が空いてたの~

これは素晴らしい!頂きます!
月日は流れ

毎日毎日、食えや歌えやのどんちゃん騒ぎ、最高だな~

何だか心配です。毎日こうやって遊んて暮らしていていいのでしょうか。

あれからどのくらいたったでしょうか。

な~に、難しいことは考えなくてもいいさ。ルナ姫はず~といてもいいって言ってるし。

そうですか・・・僕はやはり鬼ヶ島へ鬼退治へ行かないと!

私もそろそろ帰りたいわ。

仕方がないな~。でもどうやって帰ればいいのかな?

やはり、ここはルナ姫に相談しましょう。
お土産

皆様、お帰りになるのですね。お名残惜しいです。

こちらこそありがとう。毎日楽しかったです。何年たったのか分からないくらい・・・

それはよかったです。お土産にこの玉手箱を持って行ってください。

玉手箱?

はい、思い出の品としてお受け取り下さい。でも・・・この箱は決して開けてはいけませんよ。

あけたらどうなるのですか?

それはひ・み・つ♥

うーん、あけたくなる~

そろそろ失礼します。

帰りも、このココア亀がお送りしますわ。しっかりつかまって下さい。

長かったような、あっいう間だったような・・・

まずは鬼ヶ島までお願いします。

はい、では出発します!

さようなら、竜宮城!
鬼ヶ島は

到着しました。

ありがとう、ココア亀。

皆様もお元気で。では私は竜宮城へ戻ります。

あ、行っちゃった・・・

それにしても何だか風景が変わった感じ。
グオーッ、ダン、ダン、ダン

あ、あれは!恐竜?!

なんで恐竜?ここはいつの時代なんだよ~

早く逃げないと・・・ダメだ、年寄りなので走れない!

おい、セイジ太郎!恐竜をやっつけろ!鬼退治に来たんだろ。

無理ですよ~、大きさが違いすぎます!

こっちに来る~、どうしよう~

ええい!こうなったら最後の手段!玉手箱を開けよう。

ダメですよ~、それは開けてはいけないってルナ姫が言っていたじゃないですか。

ええい、うるさい!他に手段はないだろう?

でも、開けたら白い煙がでてきて、爺さん婆さんになっちゃうとか?

もう、とっくに爺さんと婆さんじゃないか!これ以上歳はとらないさ。よし!開けるぞ!
パカッ、モクモクモク~

ああ、やっばり白い煙が〜!

きっと、歳をとってガイコツになるんだわ!

そんな・・・でも若返ってきたような・・・

トーマ爺がどんどん小さくなってる~

オギャー、オギャー・・・

爺さんが赤ん坊になっちゃった!

オギャー、オギャー・・・
勿論の夢

オギャー、オギャー・・・

仕事をサボって寝ないで下さい!

ん〜はっ!あれ?恐竜は?ルミ婆は?セイジ太郎は?

何言ってるんですか!もう十分寝たでしょうからさっさと仕事仕事!オギャー、オギャー言ってる場合ではありません!

夢だったのか...助かった。

全自動洗濯機もUberEATSも現実にしかないんですよ、早く仕事しましよう!

・・・なんで知っているんだ?

何ででしょうね♪

あ、玉手箱だ??一体・・・


コメント